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2009年11月28日 (土)

外航船はパナマからシンガポール・香港に、便宜置籍船の海外移転と配当益金不算入制度(その4)

シンガポールや香港は税率25%以下の軽課税国、つまりタックスヘイブン国になり、そこで日本法人が株主となって法人を設立するとタックスヘイブン対策税制の適用対象となり、適用除外要件を満たさない限り、株主である日本法人(親会社)で合算課税が行われることになります。

今年の税制改正にて海外子会社からの配当はその95%部分を益金不算入とする制度が創設されました(外国子会社配当益金不算入制度)。タックスヘイブン国からの配当もその例外ではなく、タックスヘイブン国からの配当金に関しても益金不算入とする制度です。

したがって、シンガポールや香港にある海運事業を行う会社がタックスヘイブン対策税制の適用除外要件を満たしていれば、親会社での合算課税は無く、シンガポールや香港から受け取る配当は課税されなくて済むことになります。つまり、結果として香港やシンガポールにおける課税のみで納税は終わります。香港やシンガポールでは優遇税制などにより実質非課税となっている海運事業所得ですから、親子間で考えると海運事業に対する実効税率はほぼゼロに近いものになるでしょう。

このような節税スキームが実行できると仮定した場合、愛媛船主のような日本の船舶貸渡業を行っている外航海運事業者はパナマで登録している船舶をシンガポールや香港に移転させたいと考えると思います。あるいは新規の船舶登録はパナマではなくシンガポールや香港で登録しようと考えるでしょう。すでに本社機能をシンガポールや香港に移転させて、日本から脱出している船主の方や、子会社を設立し実態を持たせて経営を行っている船主の方もいるだろうと思います。

いずれにせよ海外子会社からの配当が益金不算入になることは、企業グループ内の資金循環が円滑になり、税負担を極力抑えながら新しい造船投資が行えることになります。このことは国際競争力で他国に劣る日本の海運業にとっては朗報ではないかと考えます。

しかし、既存のパナマ子会社からシンガポール、香港に船籍を海外移転させた場合税務上問題になるのは次の2点だと思います。なお、新規にシンガポール、香港に法人を設立し船籍登録する場合には船舶の譲渡益課税(キャピタルゲイン課税)の問題は生じません。

1)パナマ子会社からシンガポール、香港子会社へ船舶を移転させた場合に生じる売船益課税(キャピタルゲイン課税)の問題

船舶は普通償却や特別償却、また圧縮記帳を採用していますので簿価は時価よりも低くなっていると思われます。簿価が時価よりも低い場合には売船益が生じ、その所得は日本で合算課税されることになります。

2)タックスヘイブン対策税制の適用除外要件を満たすことができるかどうかという問題
シンガポール、香港ともに当局にとっても身近なタックスヘイブン国であり、これらの国の税制を利用した租税回避行為に関する情報収集及び調査能力を侮ることはできません。しかし、タックスヘイブン対策税制は海外における日本企業の正常な事業活動を制約するような税制ではありませんから、適用除外要件を専門家とよく吟味し国際節税スキーム実行に移すことが肝要かと思います。

タックスヘイブン対策税制の適用除外要件については次の記事で解説いたします。(その5に続く-to be continued-)

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