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2009年12月27日 (日)

タックスヘイブン対策税制の改正 平成22年度税制改正大綱より(その3)

 平成22年度税制改正大綱から外国子会社合算税制=タックスヘイブン対策税制の改正ポイントについてアップいたします。

 特定外国子会社等の「適用除外基準」の改正ポイント2つめは次のロに記載してあります。

ロ 非関連者基準の判定上、卸売業を主たる事業として営む統括会社が被統括会社との間で行う取引については、関連者取引に該当しないものとします。

 統括会社と被統括会社の概念は前回のブログでアップいたしましたが、上記改正はこの統括会社と被統括会社、つまり親会社から見るとタックスヘイブンにある海外子会社と海外にある孫会社との取引に関しては、海外子会社が卸売業を主たる事業としている場合には、当該取引は関連者取引に該当しないこととするものです。

  【統括会社(海外タックスヘイブンにある子会社)】   (主たる事業が卸売業の会社)

     ↓↑   ←「関連者取引」に該当しない

  【被統括会社(海外の孫会社)】

 たとえば、アジアの統括会社として香港やシンガポールを拠点として地域統括会社を設立しているような場合には、統括会社を通じてアジアの各地域へ物流網を構築するケースが多々あるかと思います。そのような統括会社の場合の主たる事業は卸売業となり、取引の相手方の50%超は孫会社である各地域にある事業会社になるでしょう。

 「非関連者基準」は、事業を主として関連者(50%超出資会社等)以外の者との間で行っていることが条件となり、収入金額の50%超で判断します。この場合卸売業については、売上げと仕入れのいずれか”一方”が50%超で判定することになります。

 したがって、統括会社と被統括会社の間で売上げ取引または仕入れ取引が50%超になっていたとしても関連者取引に該当しないことになり、合算課税の対象とはなりません。

 今回の改正で海外統括会社に対する適用緩和措置が行われましたが、非関連者基準を満たさない卸売業を主たる事業とする海外統括会社が合算課税されないようにする措置だと思われます。

 最後に3つ目の適用除外基準の改正ですが次のとおりです。

ハ 特定外国子会社等で所在地国基準又は非関連者基準を満たさないものが、事業基準、実体基準及び管理支配基準を満たす場合の適用対象金額の計算において、人件費の 10%相当額を控除する措置を廃止します。

 今までは租税特別措置法66の6第3項に基づいて人件費の10%相当額を適用対象留保金額から控除して計算していました。

措法66の6第3項

 第1項各号に掲げる内国法人に係る特定外国子会社等がその本店又は主たる事務所の所在する国又は地域においてその主たる事業を行うに必要と認められる事務所、店舗、工場その他の固定施設を有し、かつ、その事業の管理、支配及び運営を自ら行つているものである場合における適用対象金額の計算については、前項第2号中「調整を加えた金額」とあるのは、「調整を加えた金額から当該特定外国子会社等の事業に従事する者の人件費として政令で定める費用の額の100分の10に相当する金額を控除した金額」とする。

 事業、実体及び管理支配基準を満たすが、所在地国基準又は非関連者基準を満たさない会社とは、たとえば香港子会社で来料加工貿易(委託加工)を行っており、主たる事業が卸売業ではなく当局から「製造業」と認定され適用除外要件である所在地国基準を満たさないようなケースがあるかと思います。また、卸売業と認定されたとしても、売上げ取引及び仕入れ取引ともに50%超が関連者取引であるようなケースもあるでしょう。

 このような場合は人件費相当額(損金算入可能な事業専従する役員及び従業員の給与合計)を適用対象留保金額より控除できていたのですが、海外統括会社に対する緩和措置がとられたことによりこの規定は廃止されることになったと思います。

 なお、外国子会社合算税制等に関する改正は、特定外国会社等の平成22年4月1日以後に開始する事業年度から適用されることになります。親会社である内国法人の事業年度ではなく海外にある子会社、孫会社の事業年度が基準となっていることに留意すべきです。

 次回は「特定外国子会社等に係る資産性所得合算課税制度の導入」についてアップしたいと思います。これは今までの緩和措置の改正とは異なり規制強化の改正となっています。(その4へ続く)。


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