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2010年1月24日 (日)

非居住者が受け取る配当に対する課税

 B氏は同族会社の経営者でしたが、早期退職し息子への事業承継を終えて夫婦で海外に移住することを決めました。日本を出国して1年以上経過し現在海外で生活しています。

 B氏は自分の会社の株式をまだ一部所有していますので自分の会社から毎年配当を受け取ることになっています。なお、B氏の恒久的施設は日本にはありません。

 このような場合B氏が受け取る配当に対して日本ではどのように課税されるのでしょうか?

 内国法人から受け取る株式配当は国内源泉所得に該当し日本において課税対象となります。B氏は所得税法上恒久的施設を有しない非居住者に該当すると思われますので、自分の会社から受け取る配当については20%の源泉分離課税を適用されます。(所得税法第164条第2項第2号、第169条、同第170条)

 日本居住者の場合ですと、上場株式等以外の株式の配当に対する課税は20%源泉徴収の上総合課税が行われますが、恒久的施設を有しない非居住者の場合は20%の税率による源泉分離課税によって課税関係が終了します。したがって、B氏は確定申告による所得税還付を受けることはできません。

(非居住者に対する課税の方法)

第164条

2 次の各号に掲げる非居住者が当該各号に掲げる国内源泉所得を有する場合には、当該非居住者に対して課する所得税の額は、前項の規定によるもののほか、当該各号に掲げる国内源泉所得について第3節(非居住者に対する所得税の分離課税)の規定を適用して計算したところによる。

【第3節 非居住者に対する所得税の分離課税】
(分離課税に係る所得税の課税標準)
第169条
 第164条第2項各号(非居住者に対する課税の方法)に掲げる非居住者の当該各号に定める国内源泉所得については、他の所得と区分して所得税を課するものとし、その所得税の課税標準は、その支払を受けるべき当該国内源泉所得の金額とする。

(分離課税に係る所得税の税率)
第170条
前条に規定する所得税の額は、同条に規定する国内源泉所得の金額に100分の20(当該国内源泉所得の金額のうち第161条第4号及び第11号(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得に係るものについては、100分の15)の税率を乗じで計算した金額とする。

 なお、海外移住地が日本と租税条約を締結しており、株式配当について限度税率を定めている場合には支払いを行う会社を通じて「租税条約に関する届出書」を税務署に提出することにより、租税条約上の限度税率の適用を受けることができます。なお、届出書提出は配当支払前に行う必要があるため留意すべきです。

 たとえば、20%未満である限度税率の国は次のようになっていますので租税条約に関する届出書を提出することで配当支払時に源泉される税金を減少させることができます。

 限度税率10% ⇒【米国、中国、ベトナムなど】       

 限度税率15% ⇒【シンガポール、韓国、マレイシア、インドネシアなど】

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