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2010年2月17日 (水)

タックスヘイブン対策税制改正による税務調査への対応(2)

 租税負担率の判定には次のような4つの特例があります。

1)累進税率の場合の特例


【租税特別措置法施行令第39条の14第2項第3号】

その本店所在地国の外国法人税の税率が所得の額に応じて高くなる場合には、前号イの外国法人税の額は、これらの税率をこれらの税率のうち最も高い税率であるものとして算定した外国法人税の額とすることができる

 実際に納付する外国法人税が最高税率を適用したものでない軽減税率の場合などは、実際納付外国法人税額と最高税率適用後の税額との差額を分子である外国法人税額に加算することができます。

 なお、”所得の額”に応じて税率が高くなる場合にこの特例は適用されますが、”所得の区分”に応じて異なるような場合には適用されませんので留意を要します。

(複数税率の場合の特例の適用)

【租税特別措置法通達66の6-7】
その本店所在地国の外国法人税の税率が所得の額に応じて高くなる場合に措置法令第39条の14第2項第3号の規定が適用されるのであるから、法人の所得の区分に応じて税率が異なる場合には、同号の規定は適用されないことに留意する

2)欠損の場合の特例


【租税特別措置法施行令第39条の14第2項第4号】

前項第2号の所得の金額が欠損の金額となる場合には、その行う主たる事業に係る収入金額から所得が生じたとした場合にその所得に対して適用されるその本店所在地国の外国法人税の税率により判定するものとする

 分母の所得金額が欠損となったり、所得が分母に加算されない非課税となる配当のみであるような場合には主たる事業に係る収入金額から所得が生じたとして課される外国法人税の税率により判定することになります。

 ここで外国関係会社が2以上の事業を営んでいる場合の主たる事業の判定ですが、次のように規定されています。

3)複数の事業を営んでいる場合の特例


(主たる事業の判定)

【租税特別措置法通達66の6-8】 
措置法令第39条の14第2項第4号の規定を適用する場合において、外国関係会社が2以上の事業を営んでいるときは、そのいずれが主たる事業であるかは、それぞれの事業に属する収入金額又は所得金額の状況、使用人の数、固定施設の状況等を総合的に勘案して判定する

 上記のように抽象的な規定しかありませんが、総合的に勘案して判定されることになりますので何が主たる事業なのかについては税務調査に備えて準備しておく必要があります。

4)課税標準の計算がコストプラス方式による場合の特例


【租税特別措置法通達66の6-4】

外国関係会社の本店所在地国の法令の規定により、当該外国関係会社の当該事業年度の決算に基づく所得の金額及び課税標準を算出することに代えて、当該外国関係会社の支出経費に一定率を乗じて計算した金額をもって課税標準とする、いわゆるコストプラス方式により計算することができることとされている場合であっても、措置法令第39条の14第2項第1号に規定する所得の金額は、当該外国関係会社の当該事業年度の決算に基づく所得の金額につき当該本店所在地国の法令の規定を適用して算出することに留意する

 コストプラス方式により課税標準が計算されていたとしても、分母の所得金額は外国関係会社の当該事業年度の決算に基づく所得金額につき当該本店所在地国の法令の規定を適用して計算する必要があります。

 上記4つのような特例がありますので租税負担率を計算する場合には留意する必要があります。(その3へ続く)

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