« 外資系法人及び外国法人を含むグループ法人税制の適用関係 | トップページ | 東レ、移転価格税制で52億円の追徴課税 »

2010年4月19日 (月)

居住者。非居住者。住所の判定とは?(その1)

 居住、非居住を判定する上で「住所」をどのように考えるか、とても難しいところがあります。所得税法及び相続税法の通達では次のように住所を規定しています。

所得税法基本通達(住所の意義)2-1

法に規定する住所とは各人の生活の本拠をいい、生活の本拠であるかどうかは客観的事実によって判定する。

相続税法基本通達(「住所」の意義) 1の3・1の4共-5

法に規定する「住所」とは、各人の生活の本拠をいうのであるが、その生活の本拠であるかどうかは、客観的事実によって判定するものとする。この場合において、同一人について同時に法施行地に2箇所以上の住所はないものとする。

 民法上「住所」は次のよう規定されています。

(住所)第22条
各人の生活の本拠をその者の住所とする。

 税法の「住所」は民法からの借用概念であると考えられており、所得税法と相続税法の住所の定義は同一であるというのが一般的な解釈となっています。

 国内に住所を有しない非居住者の所得税に関する判決で納税者が勝訴したケースがあります。

平成20年2月28日東京高裁の判決(平成19年(行コ)第342号)です。(東京地裁でも勝訴しています。平成19年9月14日判決(平成18年(行ウ)第205号)なお、この事件に関して国税当局は最高裁への上告を断念しています。

 事件の概要は次のとおりです。

 シンガポールに居住する日本人であるAさんは香港で日本法人株式を売却しました。国税当局はAさんが日本国内に住所を有していたとして追徴処分しました。

 「Aさん」(シンガポール在住)
 ↓↓所有
 「日本の株式」 ⇒ 香港で売却

 Aさんが日本で居住者と判定されるのであれば所得の源泉を問わず日本で納税義務が生じます(全世界所得課税)。

 しかし、Aさんが非居住者と判定されるのであれば、Aさんの恒久的施設の有無に応じて国内源泉所得についてのみ課税されることになりますが、Aさんは日本に恒久的施設がありませんでした。

 またAさんが売却した株式は少数株主としての地位に基づく株式譲渡であったため(同族会社の大株主としての権利譲渡ではない)Aさんが非居住者の場合には日本での納税義務は生じません。

 日本におけるAさんの「住所」の有無により納税義務の有無が決まることになります。判決の内容は次回にアップする予定です。(~その2へ続く~)
(この記事は月刊国際税務2008.6月号VOL28国際税務研究会著より一部引用しています)

※許可無く上記内容をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じさせて頂きます
-----------------------------------
〒541-0042
大阪市中央区今橋2-3-16MID今橋ビル11F
電話(06)4792-7580 FAX(06)6221-2371
   【世界の税金・海外取引の節税】
運営責任者:税理士・公認会計士谷本治郎

-----------------------------------
copyright2009あすか税理士法人・国際税務会計事務所
個人情報保護方針

« 外資系法人及び外国法人を含むグループ法人税制の適用関係 | トップページ | 東レ、移転価格税制で52億円の追徴課税 »

個人富裕層・資産家の国際税務・国際相続贈与税対策」カテゴリの記事

個別具体的相談は有料

  • ブログ掲載内容問合せはご遠慮下さい。掲載された記事を参照した結果発生した損失や損害について弊社は一切責任を負いませ ん。記事中には私見も含まれます
  • ↓ご相談前にお読み下さい

中央記事枠はブラウザの幅で変わります

  • 東日本大震災により被災されました方々に心よりお見舞い申し上げます 一日も早い復興をお祈り申し上げます

富裕層・資産家・経営者など個人向けサービス

  • 相談報酬/節税プランニング料金はこちらから

外国法人経費削減

税務顧問について

  • 法人個人事業者料金例
  • 税務顧問契約

その他コンサルティング