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2010年5月 6日 (木)

居住者。非居住者。住所の判定とは?(その4)

 次にシンガポール居住の日本人に「租税回避の目的」があったかどうかについて判例では次のように述べています。

住居、職業、生計を一にする家族または親族の存否、資産の所在等の客観的事実に基づき総合的に判定した結果、本件譲渡期日当時、被控訴人が国内に住所を有していたと認めることができないことは上記のとおりであり、そうである以上、被控訴人が国内に真実の住所を有していたにもかかわらず、シンガポールに住所があるように仮装、偽装したと認めることはできず、この限りにおいて、被控訴人が租税回避を目的としていたか否かによってその住所の認定が左右されるものではない。

 住所認定に関して租税回避目的の有無は影響されないということになっていますが、国内に住所を有していないことが客観的に明確であったため租税回避の有無は追及されなかったのではないかと思われます。

 最後に判例の総合的判断は次のように述べられています。

被控訴人の住居が国内になく、むしろシンガポールにあったものと認められること、被控訴人の職業についても、シンガポールにおいて株式取引を開始した時点でその生活の本拠がシンガポールに移転したものと見ることができること、国内において生計を一にする被控訴人の家族または親族は存在せず、かつ被控訴人が継続して居住するに適する場所を有していなかったこと、国内に所在する資産についても、シンガポールに居住しながら管理することが困難とまではいえないと認められることなどを総合的に考慮すると、本件譲渡期日当時、被控訴人が国内に住所を有していたと認めることはできない。

 シンガポール居住者の日本株式譲渡による追徴課税事件は納税者勝訴により裁判は終了しました。ただし、この判例はこの事件に関する裁判所の判断であり、すべての事件に対して同じような判断が下されるとは限りません。

 従いまして、日本の居住者か、非居住者かという判断はその都度その納税者の方の状況に応じて判断されることになると思われますので細心の注意が必要かと思います。
(この記事は月刊国際税務2008.6月号VOL28国際税務研究会著より一部引用しています)

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