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2010年8月 2日 (月)

タックスヘイブン対策税制改正(2)租税負担割合の計算における非課税所得の範囲

 租税負担割合の計算(トリガー税率の計算)において分母で加算される非課税所得に次の配当は含まないことが規定されました。

・外国法人の所在地国の法令に定められた外国法人税の負担を減少させる仕組みに係るものでないことを要件として非課税とされる配当等

○非課税所得となる配当は分母で加算されない⇒○負担率は下がらない⇒○タックスヘイブン対策税制の対象とならない⇒○合算課税はない

 トリガー税率が20%以下(改正前25%以下)になるかどうかはタックスヘイブン対策税制のアミから逃れるためには最も大事なポイントです。

 トリガー税率が20%超になる場合には厳しい適用除外要件を考えることなく、タックスヘイブン対策税制のアミから逃れることができますのでこの負担割合の分子と分母をどのように計算するかはとても重要です。

租税特別措置法施行令第39条の14第2項第1号イ(2)

イ その本店所在地国の法令により外国法人税の課税標準に含まれないこととされる所得の金額(次に掲げる金額を除く。)

(2)その本店所在地国以外の国又は地域に所在する法人から受ける配当等の額で
 その有する株式等の数若しくは金額の当該法人の発行済株式若しくは出資の総数若しくは総額のうちに占める割合が当該本店所在地国の法令に定められた割合以上であること
 又は当該本店所在地国の法令に定められた外国法人税の負担を減少させる仕組みに係るものでないことを要件として課税標準に含まれないこととされるもの

「例」

 【親会社日本】
  ↓100%
 【英国法人】
 ↓   ↑配当免税措置の配当
 【A国法人】

 たとえば、英国では国外配当免税制度(FDE)を採用することで配当に対する二重課税を排除しています。

 英国ではFDEを採用する上で株式所有割合の要件が規定されていないため、改正前の非課税所得とされる配当等から除く配当の定義に該当せず、租税負担割合の計算過程において英国はタックスヘイブンでないにもかかわらず、英国法人が国外から受け取る配当免税措置の適用となる配当を分母に加算する必要がありました。

 そこで上記施行令において「当該本店所在地国の法令に定められた外国法人税の負担を減少させる仕組みに係るものでないことを要件として課税標準に含まれないこととされるもの」を非課税所得として分母に加算する配当等から除くことを規定しています。

 英国子会社のトリガー税率を計算する上でFDEの対象となる配当を分母に加算するかしないかは従来から問題となっていたのですが、改正で規定された「当該本店所在地国の法令に定められた外国法人税の負担を減少させる仕組みに係るものでないことを要件として課税標準に含まれないこととされるもの」は、具体的にどのような配当等が該当するのか明確でないと思われます。

 国によっては国外配当等を非課税とする要件を全く定めていない場合もあると思われますので、当該国がタックスヘイブン国でないような場合にこの規定をどう取り扱うのか不明です。

 したがって、今後実務担当者はこの改正の取扱いに十分留意すべきと思われます。

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