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2010年10月 8日 (金)

タックスヘイブン対策税制改正(5)資産性所得合算課税制度が創設されました

 今回の改正で”ムチ”となる改正と考えられる資産運用的な所得に対する合算課税は次のように規定されています。

(租税特別措置法第66条の6第4項)

 第1項各号に掲げる内国法人に係る特定外国子会社等が、平成22年4月1日以後に開始する各事業年度において前項の規定により第1項の規定を適用しない適用対象金額を有する場合において、当該各事業年度に係る次に掲げる金額(第1号から第5号までに掲げる金額については、当該特定外国子会社等が行う事業(特定事業を除く。)の性質上重要で欠くことのできない業務から生じたものを除く。以下この項において「特定所得の金額」という。)を有するときは、当該各事業年度の特定所得の金額の合計額(次項において「部分適用対象金額」という。)のうちその内国法人の有する当該特定外国子会社等の直接及び間接保有の株式等の数に対応するものとしてその株式等の請求権の内容を勘案して政令で定めるところにより計算した金額(当該金額が当該各事業年度に係る課税対象金額に相当する金額を超えるときは、当該相当する金額。次条及び第66条の8において「部分課税対象金額」という。)に相当する金額は、その内国法人の収益の額とみなして当該各事業年度終了の日の翌日から2月を経過する日を含むその内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。

 ”アメ”の改正で緩和されたタックスヘイブン対策税制の適用除外基準を満たしている特定外国子会社等に資産性所得をつけかえて租税回避することを防止する観点から、当該特定外国子会社等で生じる次のような所得に対しては、内国法人の所得に合算して課税することになりました。

一  剰余金の配当等の額(当該特定外国子会社等の有する他の法人の株式等の数又は金額のその発行済株式又は出資(その有する自己の株式等を除く。)の総数又は総額のうちに占める割合が百分の十に満たない場合における当該他の法人(第四号において「特定法人」という。)から受けるものに限る。以下この号において同じ。)の合計額から当該剰余金の配当等の額を得るために直接要した費用の額の合計額又は当該剰余金の配当等の額に係る費用の額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した残額
二  債券の利子の額の合計額から当該利子の額を得るために直接要した費用の額の合計額又は当該利子の額に係る費用の額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した残額
三  債券の償還金額(買入消却が行われる場合には、その買入金額)がその取得価額を超える場合におけるその差益の額の合計額から当該差益の額を得るために直接要した費用の額の合計額又は当該差益の額に係る費用の額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した残額
四  特定法人の株式等の譲渡(金融商品取引法第二条第十六項 に規定する金融商品取引所(これに類するもので外国の法令に基づき設立されたものを含む。)の開設する市場においてする譲渡その他政令で定めるものに限る。次号において同じ。)による対価の額の合計額から当該株式等の取得価額及び当該対価の額を得るために直接要した費用の額の合計額を控除した残額
五  債券の譲渡による対価の額の合計額から当該債券の取得価額及び当該対価の額を得るために直接要した費用の額の合計額を控除した残額
六  特許権、実用新案権、意匠権若しくは商標権又は著作権(出版権及び著作隣接権を含む。)(以下この号において「特許権等」という。)の使用料(当該特定外国子会社等が自ら行つた研究開発の成果に係る特許権等の使用料その他の政令で定めるものを除く。以下この号において同じ。)の合計額から当該使用料を得るために直接要した費用の額の合計額を控除した残額
七  船舶又は航空機の貸付けによる対価の額の合計額から当該対価の額を得るために直接要した費用の額の合計額を控除した残額

 上記をまとめますと次の資産性所得が合算課税の対象となります。

1)株式保有割合が10%未満の株式等の配当所得、又は株式保有割合10%未満株式等の譲渡所得(取引所又は店頭での譲渡に限る)

2)債券に係わる利子所得、又は債券の譲渡所得(取引所又は店頭での譲渡に限る)

3)特許権等(出版権及び著作隣接権を含む)の提供による所得(特定外国子会社等により開発された特許権等を除く)

4)船舶又は航空機の貸付による所得

 なお、適用除外規定が次のとおり定められています。

前項の規定は、第1項各号に掲げる内国法人に係る特定外国子会社等につき次のいずれかに該当する事実がある場合には、当該特定外国子会社等のその該当する事業年度に係る部分適用対象金額については、適用しない。 一  各事業年度における部分適用対象金額に係る収入金額が1000万円以下であること。 二  各事業年度の決算に基づく所得の金額に相当する金額として政令で定める金額のうちに当該各事業年度における部分適用対象金額の占める割合が100分の5以下であること。

 資産性所得合計額 ≦ 税引前所得の5%

 又は

 資産性所得に係わる収入金額 ≦ 1000万円

 上記に該当する場合には資産性所得の合算課税の適用はありません。

 今改正の資産性所得合算課税の適用の有無に関しては規定では上記のようになっていますが、規定の解釈をめぐり税務当局と様々な問題が生じると思いますので、留意すべきです。

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