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2011年9月20日 (火)

無形資産の海外移転(その2)

 無形資産に対する優遇税制は(パテントボックス税制)は特許権等を中心とした無形資産から生じる所得に対して軽減税率を適用する制度で、近年では、オランダ、スイス、フランス、ハンガリー、アイルランドにおいて導入されており、多くの日系企業が進出しているイギリスにおいても2013年4月から導入予定となっています。

 この制度の導入目的は次のとおりです。

・外国企業の研究開発拠点の呼び込み、高付加価値拠点の獲得

・国内企業、外資系企業の研究開発拠点の流出防止

「流出の事例」(通商白書 2010より引用)

1)日産はマーチの生産拠点をタイなど新興国に全面移管
   ↓ 
 タイでは、地域統括会社の認定を受ける場合、法人税率を30%→10%に軽減

2)サンスターはスイスに本社移転
   ↓
 スイスの法人実効税率は21.17%。さらに、統括会社には5 年間5~10%の軽減税率を適用。

3)米日用品メーカー、P&G は神戸からシンガポールにアジア本社を移転(2009 年)

4)シャープは液晶パネル・テレビの設計開発センターを中国(南京市)に設立
   ↓
 中国では、適格ハイテク企業の場合、法人税率を25%→15% に軽減

5)富士通はシンガポール科学技術庁とスーパーコンピューターの共同研究開発を実施
   ↓
 シンガポールは、法人税17%。その他投資減税等の支援メニュー・インセンティブの適用あり。

6)フィンランドの携帯電話メーカー、ノキアは東京からシンガポールに開発拠点を移転(2009 年)

 全体の事業所得を通常の事業所得と特許権等から生じる所得の2つのボックスに振り分け、パテントから生じる所得に対しては低税率で優遇税制を適用するためにパテントボックス税制と呼ばれています。

「例示」

 英国: 通常の事業所得 26%⇔パテント 10%(2013年4月1日より適用予定)
 
 オランダ: 通常の事業所得 25%⇔パテント 5%(イノベーションボックス制度)

 日本では試験研究費の税額控除制度がありますが、欧米の多国籍企業グループの税負担と比較すると日本企業の税負担はまだまだ高率であると思われます。

参考

1)総合的な公的負担率の国際的比較
 国際的に比較すると、日本の総合的な公的負担率(法人税負担のみならず、その他の税負担(固定資産税等)や社会保険料事業主負担も含めた割合)は高い水準にある。

オランダ  31.0%
インド   35.1%
イギリス  41.6%
アメリカ  42.8%
日本   50.4%

2)英国、米国といった先進国と比較した場合、日本の法人税等(法人税、法人住民税、法人事業税所得割)の負担の大きさが総合的な公的負担率を押し上げている。

法人税実負担率
イギリス 22.4%
アメリカ 27.8%
日本   35.5%

(平成22年6月7日付「企業の公的負担に関する国際比較調査」経済産業省より引用)

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