タックスヘイブン対策税制

2013年12月23日 (月)

船井電機の敗訴確定 732億円の申告漏れ

MSN産経ニュースからの引用です。

 船井電機は12日、計約732億円の申告漏れを指摘された大阪国税局の更正処分の取り消しを求めた訴訟で、最高裁が同社の上告を受理しない決定をしたと発表した。船井電機の敗訴が確定する。決定は11日付。

 船井電機は「当社の主張が認められなかったことは誠に遺憾」としている。

 船井電機は2005年と08年、香港の子会社について、大阪国税局からタックスヘイブン(租税回避地)対策税制の適用対象になるとして、所得を本社分に合算すべきだと指摘された。

 船井電機は処分を不服として大阪地裁に提訴したが、地裁は訴えを棄却した。控訴した高裁でも棄却され、最高裁に上告していた。

 追徴税額は延滞税などを含めて計約360億円に上るが、06年3月期と09年3月期決算に計上しており、14年3月期の業績に与える影響はないとしている。

最高裁で上告棄却されたことで敗訴確定しました。やはりこの裁判で勝訴することは困難だったのでしょう。

船井電機プレスリリース

船井電機のHP

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2013年12月15日 (日)

日本居住者である個人が香港に資産運用会社を設立した場合

 日本の居住者である個人が100%出資して、香港に株式、債権投資などを行う資産運用会社を設立した場合に、日本の税務上注意すべきことはあるでしょうか?

 香港は所得に対する税率が20%以下の国ですから、日本の税制上はタックスヘイブン国に該当し、租税回避行為に対処するため、タックスヘイブン対策税制が規定されています。

 タックスヘイブン対策税制は、法人のみならず個人(日本居住者)にも適用されますので留意すべきです。

 タックスヘイブン対策税制は、日本居住者(同族株主を含む)が発行済株式の10%以上を保有する特定外国子会社等の所得のうち、その者の持分割合に相当する金額を、その者の雑所得として、日本の所得税を個人に課税する制度です(措法40の4)。

措置法第40条の4

(居住者に係る特定外国子会社等の課税対象金額等の総収入金額算入)

 次に掲げる居住者に係る外国関係会社のうち、本店又は主たる事務所の所在する国又は地域におけるその所得に対して課される税の負担が本邦における法人の所得に対して課される税の負担に比して著しく低いものとして政令で定める外国関係会社に該当するものが、昭和53年4月1日以後に開始する各事業年度において適用対象金額を有する場合には、その適用対象金額のうちその者の有する当該特定外国子会社等の直接及び間接保有の株式等の数に対応するものとしてその株式等の請求権の内容を勘案して政令で定めるところにより計算した金額に相当する金額は、その者の雑所得に係る収入金額とみなして当該各事業年度終了の日の翌日から2月を経過する日の属する年分のその者の雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。

1.その有する外国関係会社の直接及び間接保有の株式等の数の当該外国関係会社の発行済株式又は出資(当該外国関係会社が有する自己の株式等を除く。)の総数又は総額のうちに占める割合(当該外国関係会社が次のイからハまでに掲げる法人である場合には、当該割合とそれぞれイからハまでに定める割合のいずれか高い割合。次号において「直接及び間接の外国関係会社株式等の保有割合」という。)が100分の10以上である居住者

 香港に設立した法人が一定の条件を満たさない場合、タックスヘイブン対策税制の適用対象となり、個人の課税所得に自己の持分割合相当金額を加算した上で総合課税の申告をする必要があります。

 一定の条件である適用除外基準(4つの要件)を満たすことは難しく、また満たしたとしても、一定の株式投資による配当、株式譲渡や債権の利子、譲渡等については資産性所得としてタックスヘイブン対策税制の適用対象となり雑所得として課税される可能性がありますので、留意すべきです。

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2013年6月26日 (水)

タックスヘイブン対策税制 トリガー税率18%に下げ検討

2013年6月22日付日本経済新聞からの情報です。

現在法人税率20%以下の国がタックスヘイブン対策税制の対象となっていますが、この税率(トリガー税率)を2014年度税制改正で18%に引き下げ緩和措置をとることが検討されています。

タイが2013年1月に20%に下げ、また英国が2015年4月に20%に下げると決めたことで海外進出している日本企業への影響が大きいことが契機となっています。ベトナムも2016年に20%にする法律案が出ているようですからトリガー税率の緩和措置は時代の流れとも言えるでしょう。

経済産業省によると世界に進出している日本の子会社の約2万社で全体の28%、約5600社が税率20%以下の国、地域にあるといいます。

租税回避を目的としない海外進出企業がトリガー税率のために課税されてしまうのは問題です。経済産業省は他の条件も緩和するよう求めていくとのことですから、来年度税制改正には注目しておくべきです。

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2013年6月10日 (月)

欧州が租税回避を監視厳格化

 日本経済新聞2013年5月10日付朝刊記事からの情報です。

 新聞によると、企業や富裕層が自国よりも税率の低い国・地域に納税する動きに対し、欧州各国政府が厳しい対応を取り始めた、とのことです。

 たとえば、次のような対応です。

・英国、ドイツなどで低税率国や金融機関に顧客情報を開示する動きが出てきた

・英国政府はカリブのタックスヘイブンである英領バージン諸島の各自治政府と、銀行口座の情報を自動的に共有することで合意した

・ドイツ、フランス、英国、イタリア、スペインは今年に入り、税務情報を交換することで合意

・フランス政府はフランスの銀行に関連会社を通じた低税率国での事業内容を定期的に報告することを義務付ける

・フランスではまず政治家の脱税(タックスヘイブンへの所得移転など)を厳しく調査する

 また、新聞によりますと節税か、脱税かの線引きは難しいのではないかと報道しています。

 確かに、多国籍企業は節税スキームの中で低税率国を意図的に選択し合法的にグループ全体として節税を行っているケースが多々あります。

 各国政府からみると「巧みに租税回避している」と批判的に捉えられるかもしれませんが、このあたりの線引きが難しいのも確かです。

 多国籍企業の税務戦略は各国の税法を熟知した上で遂行されていますから、スターバックスの英国での納税事件や、グーグル、アマゾン、アップルなどのネット企業はグローバル企業ゆえに批判の対象とされやすいのでしょう。

 日本においては主なタックスヘイブンと呼ばれる国との情報交換規定が次々と締結されています。ただ、合法的にタックスヘイブンを利用するのであれば問題ありませんのでその点は留意すべきと思います。

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2012年8月31日 (金)

特定外国子会社等の判定時期は?

Question;

 1)外国法人が外国関係会社、特定外国子会社等にいつの時点で該当するか?

 2)内国法人等がタックスヘイブン対策税制の適用対象法人等にいつの時点で該当するか?

Answer;
 判定時期は、1)及び2)ともに外国法人の各事業年度終了時の現況によって判定することになります。

 したがって、前々期、前期ともに該当しなくても状況が変化し当期で該当することも十分考えられますので留意すべきです。

租税特別措置法施行令第39条の20第1項
(外国関係会社の判定等)
 法第66条の6第1項 又は第4項 の場合において、外国法人が同条第2項第1号 に規定する外国関係会社(以下この項及び次項において「外国関係会社」という。)に該当するかどうかの判定は、当該外国法人の各事業年度終了の時の現況によるものとし、内国法人が同条第1項 各号に掲げる法人に該当するかどうかの判定は、これらの法人に係る外国関係会社の各事業年度終了の時の現況による。

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2011年9月20日 (火)

無形資産の海外移転(その2)

 無形資産に対する優遇税制は(パテントボックス税制)は特許権等を中心とした無形資産から生じる所得に対して軽減税率を適用する制度で、近年では、オランダ、スイス、フランス、ハンガリー、アイルランドにおいて導入されており、多くの日系企業が進出しているイギリスにおいても2013年4月から導入予定となっています。

 この制度の導入目的は次のとおりです。

・外国企業の研究開発拠点の呼び込み、高付加価値拠点の獲得

・国内企業、外資系企業の研究開発拠点の流出防止

「流出の事例」(通商白書 2010より引用)

1)日産はマーチの生産拠点をタイなど新興国に全面移管
   ↓ 
 タイでは、地域統括会社の認定を受ける場合、法人税率を30%→10%に軽減

2)サンスターはスイスに本社移転
   ↓
 スイスの法人実効税率は21.17%。さらに、統括会社には5 年間5~10%の軽減税率を適用。

3)米日用品メーカー、P&G は神戸からシンガポールにアジア本社を移転(2009 年)

4)シャープは液晶パネル・テレビの設計開発センターを中国(南京市)に設立
   ↓
 中国では、適格ハイテク企業の場合、法人税率を25%→15% に軽減

5)富士通はシンガポール科学技術庁とスーパーコンピューターの共同研究開発を実施
   ↓
 シンガポールは、法人税17%。その他投資減税等の支援メニュー・インセンティブの適用あり。

6)フィンランドの携帯電話メーカー、ノキアは東京からシンガポールに開発拠点を移転(2009 年)

 全体の事業所得を通常の事業所得と特許権等から生じる所得の2つのボックスに振り分け、パテントから生じる所得に対しては低税率で優遇税制を適用するためにパテントボックス税制と呼ばれています。

「例示」

 英国: 通常の事業所得 26%⇔パテント 10%(2013年4月1日より適用予定)
 
 オランダ: 通常の事業所得 25%⇔パテント 5%(イノベーションボックス制度)

 日本では試験研究費の税額控除制度がありますが、欧米の多国籍企業グループの税負担と比較すると日本企業の税負担はまだまだ高率であると思われます。

参考

1)総合的な公的負担率の国際的比較
 国際的に比較すると、日本の総合的な公的負担率(法人税負担のみならず、その他の税負担(固定資産税等)や社会保険料事業主負担も含めた割合)は高い水準にある。

オランダ  31.0%
インド   35.1%
イギリス  41.6%
アメリカ  42.8%
日本   50.4%

2)英国、米国といった先進国と比較した場合、日本の法人税等(法人税、法人住民税、法人事業税所得割)の負担の大きさが総合的な公的負担率を押し上げている。

法人税実負担率
イギリス 22.4%
アメリカ 27.8%
日本   35.5%

(平成22年6月7日付「企業の公的負担に関する国際比較調査」経済産業省より引用)

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2011年9月11日 (日)

無形資産の海外移転(その1)

 平成22 年11 月9 日に開催された税制調査会「国際課税に関する論点整理」からの引用です。

4.国際的租税回避の防止に向けた今後の課題

4-1.無形資産の取扱い

(議論の概要)

○ 多国籍企業のグループが、リスク限定的販売会社や契約製造会社への転換などの形を利用した事業再編を通じて、税負担を軽減するタックス・プランニングが広く行われるようになってきている。OECD では、このような事業再編の問題へ対応するため、移転価格税制の観点から、関連者間での機能やリスクの配分についての独立企業原則との関係が議論され、移転価格ガイドラインの第9 章としてとりまとめられた。

○ 今回のOECD 移転価格ガイドラインの改定の中では、無形資産の扱いは見直されなかったが、今後、無形資産の範囲、及び無形資産の評価・課税の方法の観点からOECDにおいて議論が行われる予定である。

○ 多国籍企業グループが事業再編を通じて無形資産を軽課税国に移転することで税負担の軽減を図るタックス・プランニングの例が米国などで顕著となりつつある。我が国においても同様の問題が生じるリスクが高まっており、今後のOECD などにおける国際的議論の進展や経済活動の実態なども見極めつつ、無形資産の移転に係る国際課税のあり方について中期的課題として検討していく必要がある。

 無形資産を単純に海外にある子会社に移転させると、日本ではタックスヘイブン対策税制の適用対象となり、海外子会社が得た所得は親会社である日本で課税されるという問題が生じますが、多国籍企業は低税率国に無形資産を移転し維持管理して税負担軽減を図っていることが上記引用資料よりわかるかと思います。

 外国子会社配当益金不算入制度の創設により、親会社である内国法人が一定の条件で所有する海外子会社からの配当については当該金額の95%が益金不算入となりましたので、この制度を利用して次のようなグループ内のお金の流れ(キャッシュフロー)を作り出すことができるかと思います。

「日本親会社」
   ↑
   配当
   ↑
「海外製造子会社(パテントに対して低税率国):無形資産を所有」
   ↑
  製造売上の対価として無形資産の対価を配賦
   ↑
「海外販売関連会社」

 上記のように低税率国で得た所得を日本へ配当した場合、日本で配当額の95%は課税されないことになります(配当に関する外国源泉所得税は外国税額控除不可)。ただし、海外子会社がタックスヘイブン対策税制をクリアできるかどうかの検討が必要となりますので留意すべきです。事業基準、実体基準、管理支配基準など差様々な条件をクリアする必要があります。

 なお、無形資産について優遇税制(パテントボックス税制)を与えている国はオランダ、イギリスなどです。(その2へ続く)
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2011年7月15日 (金)

船井電機香港子会社で18億円所得更正、タックスヘイブン課税訴訟の控訴

 大阪に本社がある船井電機(東証・大証1部上場)のプレスリリースからの情報です。

 平成23年6月29日、大阪国税局より、当社の香港子会社がタックスヘイブン対策税制の適用除外要件を満たしていないとの判断により、平成20年3月期から平成22年3月期の3年間について当社の香港子会社の利益を当社の所得の額とみなして合算課税するとの更正通知を受領いたしました。更正された所得金額は18億円で、追徴税額は地方税等を含め合計9億円と試算され、当第1四半期において過年度法人税等として9億円計上する予定であります。業績に与える影響につきましては、開示すべき事項が発生した場合に、改めてご報告させていただきます。

 なお、平成17年6月28日付及び平成20年6月16日付のタックスヘイブン対策税制適用に基づく更正処分の取消請求訴訟については平成23年6月24日に請求棄却判決の言い渡しがなされましたが、大阪高等裁判所に控訴する方針であります。今回の更正処分につきましても、今後は不服申し立てにより当社の正当性を主張していく所存であります。 以  上


~船井電機HPより~

 H20/3~H22/3月までの3年間で18億円の所得更正、追徴税額は9億円とのことです。また過去の訴訟案件について次のように発表しています。

平成23年7月7日 当社は、大阪国税局長より当社の香港子会社がタックスヘイブン対策税制の適用除外要件を満たしていないとの判断による更正処分を不服として、大阪地方裁判所に対して更正処分の取消請求訴訟を提起しておりました。これに関する大阪地方裁判所の判決が平成23年6月24日になされ、当社の請求を棄却する判決がなされました。これについて慎重に検討した結果、当社は判決内容に承服できないことから、本日、大阪高等裁判所に控訴いたしました。

1.当該訴訟の経緯

平成18年11月16日
当社による訴えの提起
(課税対象期間 平成14年3月期~平成16年3月期)

平成20年11月14日
当社による訴えの追加提起
(課税対象期間 平成17年3月期~平成19年3月期)

平成20年11月26日
平成18年11月16日と平成20年11月14日に提起した訴えを 併合審理

平成23年 6月24日
大阪地方裁判所による請求棄却判決の言い渡し

平成23年 7月7日
当社による控訴の提起

2.今後の見通し
 大阪地方裁判所の判決において、当社の主張を容認しなかったことは承服しがたいものでありますので、大阪高等裁判所においても引き続き当社の正当性を主張してまいります。以  上


~船井電機HPより~

 H14/3~H16/3期で更正を受けた所得金額は393億円及びH17/3~H19/3期で更正を受けた所得金額はに339億円となっています。船井電機 香港で393億円申告漏れ

 H14/3月期から直近H22/3月期までの9年間に渡り当局から約750億円(393+339+18)の所得更正を受けたことになります。

 平成18年7月25日付船井電機プレスリリースではタックスヘイブン対策税制適用に基づく更正処分に対する異議決定及び審査請求について最初に更正処分を受けたときの同社の対応及び当局の対応に関する事実が簡単に説明されています。

 船井電機株式会社は、平成17年8月24日、大阪国税局長によるタックスヘイブン対策税制の更正処分(平成17年6月28日付)について、事実誤認や法令の解釈・適用を誤った違法な処分であることを理由として、その取り消しを求める異議申し立てをしておりましたが、平成18年6月28日に当社の申し立てを棄却する異議決定書を受領いたしました。

 本件更正処分は、もともと調査不十分で当該委託加工取引の実態を全く把握しないままなされたものであり、それゆえ更正処分の附記理由も事実誤認や法令の解釈・適用を誤ったものでありました。そこで、当社は今回の異議申し立ての審理過程においては、当該委託加工取引の実態の理解と法令適用に必要な追加資料を提出するとともに長時間にわたる詳細な口頭説明を行い、また、不服点につき項目ごとの質問を申し入れ、審理担当官も当該項目ごとに回答をする旨約束しておりました。

 しかし、この度の異議棄却決定の理由は、一部の資料から原処分庁に都合の良い表面的な文言のみを取り上げて当社が説明した事実関係や不服点等を単に否定したに過ぎず、紋切り型に更正処分理由を繰り返すだけの納税者の立場を全く無視したおよそ聴く耳を持たぬ内容であり、結果として誤ったものであることが明白であります。このような更正処分と異議棄却決定の一連の対応は誠に遺憾であり、当社として到底承服できるものではありません。

 従いまして、当社は、本日、大阪国税不服審判所に対し審査請求を行いましたので、お知らせいたします。

 その後訴訟になったため、訴訟での争点、判断など詳しい情報はプレスリリースで開示されていません。

 今後どのような判決が下されるのか、まだまだ時間はかかりそうです。
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2011年2月 1日 (火)

外国子会社合算税制等(タックスヘイブン対策税制)に係る租税特別措置法関係通達等を公表(その6)

 今回新設された通達66の6-10の2(大法人により発行済株式等の全部を保有される場合の適用対象金額の計算)は次のように規定されています。

(大法人により発行済株式等の全部を保有される場合の適用対象金額の計算)66の6-10の2

 措置法令第39 条の15 第1項第1号の規定により特定外国子会社等の適用対象金額につき本邦法令の規定の例に準じて計算するに当たり、特定外国子会社等の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する者のいずれかに大法人(当該特定外国子会社等の当該事業年度終了の時における資本金の額又は出資金の額が5億円以上である法人など法第66 条第6項第2号に掲げる法人をいう。以下66 の6-10 の2において同じ。)が含まれている場合には、当該特定外国子会社等が中小法人(当該事業年度終了の時における資本金の額又は出資金の額が1億円以下である法人をいう。)に該当するときであっても、措置法第57 条の10 第1項及び第61 条の4第1項かっこ書の規定の適用はないことに留意する。

(注)1 当該特定外国子会社等の資本金の額又は出資金の額の円換算については、当該事業年度終了の日の電信売買相場の仲値による。

 2当該特定外国子会社等の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する者が外国法人である場合において、当該外国法人が大法人に該当するかどうかは、当該特定外国子会社等の当該事業年度終了の時における当該外国法人の資本金の額又は出資金の額について、当該事業年度終了の日の電信売買相場の仲値により換算した円換算による。

 また改正点の説明は次のように記載されています。

 平成22 年度の税制改正において、内国法人である普通法人が、資本金の額等が5億円以上である大法人(以下「大法人」といいます。)によって発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている場合には、当該普通法人の資本金の額等が1億円以下であっても、貸倒引当金の法定繰入率の選択適用や交際費等の損金不算入制度における600 万円の定額控除といった中小企業向けの特例措置を適用しないこととする改正が行われました。

 外国子会社合算税制の適用上、この改正後の規定は、特定外国子会社等の適用対象金額の計算においても適用されるのかどうかという疑義が生じます。

 この点、合算課税の対象とされる特定外国子会社等の適用対象金額については、特定外国子会社等の決算に基づく所得の金額について、本邦法令の規定の例に準じて計算することとされており、この改正後の規定を本邦法令の規定から除くこととはされていません。

 したがって、特定外国子会社等の資本金の額等が1億円以下であっても、当該特定外国子会社等が大法人によって発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている場合には、その適用対象金額の計算上、中小企業向けの特例措置の適用はありません。

 本通達では、このことを明らかにしています。


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2011年1月27日 (木)

外国子会社合算税制等(タックスヘイブン対策税制)に係る租税特別措置法関係通達等を公表(その5)

 今回新設された通達66の6-18の2(部分適用対象金額)は次のように規定されています。

(部分適用対象金額)66の6-18の2

 措置法第66 条の6第4項に規定する部分適用対象金額(以下66 の6-18 の2において「部分適用対象金額」という。)は同項に規定する特定所得の金額の合計額をいうが、当該特定所得の金額の基となる同項各号に掲
げる残額は正(プラス)の金額をいうのであるから、例えば、債券の譲渡をした場合において、当該債券の譲渡による対価の額の合計額が当該債券の取得価額及び当該対価の額を得るために直接要した費用の額の合計額を超えないときには、その超えない部分の金額は部分適用対象金額には含まれないことに留意する。

 また改正点の説明は次のように記載されています。

 部分課税対象金額の益金算入制度において、合算課税の対象とされる特定外国子会社等の部分適用対象金額は、特定所得の金額の合計額をいいます。

この特定所得の金額とは、次の①から⑦までの金額をいいます。

① 保有割合が10%未満である株式等に係る剰余金の配当等の額の合計額からその配当等に係る費用の額を控除した残額

② 債券の利子の額の合計額からその利子に係る費用の額を控除した残額

③ 債券の償還差益の額の合計額からその差益に係る費用の額を控除した残額

④ 保有割合が10%未満である株式等の譲渡対価の額の合計額からその株式等の取得価額とその譲渡に要した費用の額の合計額を控除した残額

⑤ 債券の譲渡対価の額の合計額からその債券の取得価額とその譲渡に要した費用の額の合計額を控除した残額

⑥ 特許権等の使用料の合計額からその使用料を得るために要した費用の額の合計額を控除した残額

⑦ 船舶又は航空機の貸付けによる対価の額の合計額からその対価を得るために要した費用の額の合計額を控除した残額

(①から⑤までは、特定外国子会社等が行う一定の事業の性質上、重要で欠くことのできない業務から生じたものを除き、④と⑤は、取引所の開設する市場における譲渡等によるものに限ります。)

 この規定の適用上、例えば、上記①から⑦までの特定所得に係る収入が二以上あり、その中にその特定所得に係る費用の額を差し引いた結果がマイナスの金額となるものがあった場合、これを他の特定所得の金額と通算することができるのかという疑義が生じます。

 この点について、部分適用対象金額の基となる特定所得の金額は、法令上「残額」と規定され、プラスの金額のみをいうものとされています。

 したがって、上記のマイナスの金額を他の特定所得の金額(プラスの金額) と通算することはできないこととなります。

 そこで、本通達において、部分適用対象金額の計算上、マイナスの金額(ゼロを含みます。)はこれに含まれないことを留意的に明らかにしています。

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