個人富裕層・資産家の国際税務・国際相続贈与税対策

2014年2月 6日 (木)

ニューヨークのコンドミニアムを贈与した場合の課税(連邦税)

 アメリカ ニューヨークに10年在住する父からコンドミニアムの贈与を日本居住者である私が受けました。この場合の課税関係はどうなるのでしょうか?

 実父はアメリカ在住者ですから、日本では非居住無制限納税義務者に該当します。しかし、贈与を受けた本人は日本居住者であり居住無制限納税義務者に該当します。

 この場合、日本では受贈者に贈与税が生じ、また国内及び国外財産に対して課税が行われます。贈与を受けた財産はアメリカにありますが、日本の贈与税申告の対象となります。

 また、アメリカでは贈与者に贈与税(GIFT TAX)の対象となり、贈与者がアメリカの居住者である場合には、アメリカ国内及び国外の財産、すなわち全世界にある財産が贈与税の対象となります。

 よって、父がニューヨークのコンドミニアムを日本居住者であるあなたに贈与した場合、当該財産がUS$13,000以上(年間基礎控除(Annual exclusion)は受贈者毎に暦年1年間で計算、2012年度)のときはアメリカの贈与税の対象となり、父がアメリカで申告する必要があります。

 結果として、日本及びアメリカのどちらの国でも課税されることになり、二重課税となりますが日米相続税条約の規定により外国税額控除制度を適用することで二重課税は調整されることになります。

 なお、配偶者控除、寄付金控除、統一移転税額控除などにより贈与税が生じないことがありますが、確定申告の手続きは必要になります。

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2014年1月26日 (日)

保有する外国通貨を他の外国通貨に交換した場合の為替差損益の取扱い

為替差損益に関する個人所得税の取り扱いです。

【照会要旨】

 100万円の現金を米ドル(1万ドル)に交換し、その後、この米ドル(1万ドル)を他の外国通貨(8,000ユーロ)に交換した場合、ユーロへの交換時に為替差損益を所得として認識する必要はありますか。

?米ドルへの交換時のレート・・・1ドル=100円

?ユーロへの交換時のレート・・・1ユーロ=150円

【回答要旨】

 為替差益を認識する必要があります。

 為替差損益は、一般的には異なる通貨の交換(往復)により発生するものですが、照会のように、円から米ドルに交換し、これをユーロ等他の外国通貨に交換した場合であっても、その外国通貨への交換時に、当該外国通貨(ユーロ)の額をその交換時の為替レートにより円換算した金額と当初の円から米ドルへの交換時の為替レートにより円換算した金額との差額(為替差損益)が所得税法第36条の収入すべき金額として実現したと考えられますので、これを所得として認識する必要があります。

 ・ 為替差益・・・(150円×8,000ユーロ)-100万円=20万円

(注) 外貨建預貯金の元本及び利子をあらかじめ約定した率により他の外国通貨で支払われる場合の元本部分に係る差益については、外国通貨を円に交換(往復)する取引ではないものの、その支払時において課税(収入すべき金額として認識)することとされており(所得税法第174条第7号、第209条の2、所得税法施行令第298条第4項第2号)、為替差損益を所得として認識するかどうかは、異なる通貨の交換(往復)に限られるものではありません。

【関係法令通達】

 所得税法第36条、第174条第7号、第209条の2、所得税法施行令第298条

国税庁「質疑応答事例集」より

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2014年1月16日 (木)

被相続人が外国人である場合の未分割遺産に対する課税

 被相続人が日本居住者で中華民国の国籍を有し、その子供(他の中華民国の国籍を有する養子)が被相続人の遺産にかかわる相続税の申告をしなかったため、国税不服審判所にて審査請求に至った事案です。
(裁決 昭和57年8月10日 納税義務者非該当と判断)

 日本の国際私法「法の適用に関する通則法」では、相続は、被相続人の本国法を準拠法とする旨規定されています。

第六節 相続 (相続) 第三十六条  相続は、被相続人の本国法による。

 相続は被相続人の本国法、今回の事案では中華民国の民法によることと規定されているため、相続人は同じく中華民国の民法により決めるべきとしています。

 本事案は審査請求で納税者が相続人に該当しないと判断されたため、未分割遺産に対する相続税の計算上、相続人に該当するかどうかの判定は、被相続人の本国法(今回のケースでは中華民国の民法)によることが確認されました。

 国税庁タックスアンサー「質疑応答事例」より

【照会要旨】
 外国人が死亡した場合における相続税の総額の計算は、日本の民法の規定による相続人及び相続分を基として計算することとしていますが、各人の課税価格を計算する場合において、遺産が未分割のときは、日本の民法の規定による相続人及び相続分を基として計算するのか又は本国法の規定による相続人及び相続分を基として計算するのかいずれによりますか。

【回答要旨】
 法の適用に関する通則法第36条により相続は被相続人の本国法によることとされていますから、被相続人の本国法の規定による相続人及び相続分を基として計算することとなります。

【関係法令通達】

 法の適用に関する通則法第36条
 相続税法第55条

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2013年12月 8日 (日)

国外財産調書提出制度のFAQを公表

 平成25年11月15日付にて、国税庁は国外財産調書提出制度に関するFAQを公表しました。

 平成25年12月31日現在の国外財産について調書を提出する必要があるのですが、わかりやすく、かつ具体的にFAQを掲載しています。

 FAQの内容は次のとおりです。

Ⅰ 通則

【制度の概要等】
【国外財産の所在の判定】

Ⅱ 国外財産調書の記載事項等

【国外財産調書の記載事項】
【財産及び債務の明細書との関係】
【国外財産調書合計表の添付】

Ⅲ 国外財産の価額

【基本的な考え方】
【国外財産の見積価額】
【保険に関する権利の価額】
【定期金に関する権利の価額】
【ストックオプションに関する権利の価額】
【民法に規定する組合契約等その他これらに類する契約に基づく出資の価額】
【信託に関する権利の価額】
【預託金等の価額】
【無体財産権の価額】
【共有財産の価額】
【借入金で取得した国外財産の価額】
【外貨で表示されている国外財産の邦貨換算の方法】

Ⅳ 過少申告加算税等の特例

【特例の概要】
【提出期限後に提出された国外財産調書の取扱い】

Ⅴ 罰則

以上です。

国税庁のFAQ

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2013年11月28日 (木)

預け入れていた外貨建預貯金を払い出して貸付用の建物を購入した場合の為替差損益の取扱い

 国税庁「質疑応答事例」からですが、「外国通貨の取得が複数回ある場合の為替差損益の計算」について、所得税法施行令第118条《譲渡所得の基因となる有価証券の取得費等》第1項の規定に準じて計算することが明確にされています。(総平均法に準ずる方法で1単位あたりの取得価額を計算する)

所得税法施行令第118条第1項

(譲渡所得の基因となる有価証券の取得費等)

第118条  

 居住者が法第四十八条第三項 (譲渡所得の基因となる有価証券の取得費等の計算)に規定する二回以上にわたつて取得した同一銘柄の有価証券で雑所得又は譲渡所得の基因となるものを譲渡した場合には、その譲渡につき法第三十七条第一項 (必要経費)の規定によりその者のその譲渡の日の属する年分の雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額又は法第三十八条第一項 (譲渡所得の金額の計算上控除する取得費)の規定によりその者の当該年分の譲渡所得の金額の計算上取得費に算入する金額は、当該有価証券を最初に取得した時(その後既に当該有価証券の譲渡をしている場合には、直前の譲渡の時。以下この項において同じ。)から当該譲渡の時までの期間を基礎として、当該最初に取得した時において有していた当該有価証券及び当該期間内に取得した当該有価証券につき第百五条第一項第一号(総平均法)に掲げる総平均法に準ずる方法によつて算出した一単位当たりの金額により計算した金額とする。

【照会要旨】

 米ドル建で預け入れていた預金10万ドル(以下「預金A」といいます。)と5万ドル(以下「預金B」といいます。)を払い出し、これらの資金を用いて米国内にある貸付用の建物を12万ドルで購入しました(残りの3万ドルは引き続き米ドルで保有)。この場合、建物の購入時点で預金A及び預金Bに係る為替差益を所得として認識する必要はありますか。

?預金Aの預入時のレート ・・・1ドル=100円(円からドルへの交換と預金Aの預入は同日)
?預金Bの預入時のレート ・・・1ドル=112円(円からドルへの交換と預金Bの預入は同日)
?預金の払出時のレート・・・・1ドル=115円
?建物購入時のレート・・・・・1ドル=120円

(注) 便宜上、預金の利子は考慮していません。

【回答要旨】

 為替差益を認識する必要があります。

 外貨建取引とは、外国通貨で支払が行われる資産の販売及び購入、役務の提供、金銭の貸付け及び借入れその他の取引をいい、居住者が外貨建取引を行った場合には、当該外貨建取引を行った時における外国為替の売買相場により換算した金額によりその者の各年分の各種所得の金額を計算するものとされています(所得税法第57条の3第1項)。

 照会のように、外貨建の預金をもって貸付用の建物を外貨建取引により購入した場合には、新たな経済的価値(その購入時点における評価額)を持った資産が外部から流入したことにより、それまでは評価差額にすぎなかった為替差損益に相当するものが所得税法第36条の収入すべき金額として実現したものと考えられますので、当該建物の購入価額の円換算額とその購入に充てた外国通貨を取得した時の為替レートにより円換算した金額との差額(為替差損益)を所得として認識する必要があります。

 また、建物の購入に充てた外国通貨の取得が複数回ある場合の為替差損益の計算については、所得税法施行令第118条《譲渡所得の基因となる有価証券の取得費等》第1項の規定に準じて、次のとおり計算するのが相当です。

? 保有するドルの1ドル当たりのレート
〔10,000,000円(預金A)+5,600,000円(預金B)〕÷15万ドル=104円

? 為替差益
(120円-104円)×12万ドル=192万円

 なお、購入した建物は、その購入時の為替レートによる円換算額を取得価額として、その後の不動産所得の金額を計算する際に減価償却費が計算されるほか、当該建物を譲渡した場合の取得費も当該取得価額を基に計算されることになります(所得税法第57条の3第1項)。

【関係法令通達】

 所得税法第36条、第57条の3、所得税法施行令第118条、第167条の6

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2013年11月17日 (日)

ハワイの別荘を贈与した場合の課税(連邦税)

 日本居住者である父が、日本居住者である子供にハワイの別荘を贈与した場合、日米での課税関係はどうなるでしょうか。

 日本では贈与税は財産を贈与された者、すなわち受贈者である財産をもらった人に贈与税が課税されます。贈与者である父は日本居住者であり、かつ受贈者である子供も日本居住者ですから、財産が国内、国外のすべてに贈与税が課税されます。

 また、アメリカであるハワイでは、財産を贈与した人、すなわち贈与者に贈与税が課税されます。財産が米国内にあり不動産、自動車、現金等の有形財産に対して米国で贈与税が課税されます。

 この場合には日米間で二重課税となりますが、日本で外国税額控除を受けることで二重課税解消の申告手続きを取ることができます。

 海外での贈与は贈与する財産のある国がどのような税制をとり、課税されるかをよく検討し留意しなければいけません。

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2013年10月13日 (日)

日本の相続税・贈与税が課税されないケースはあるのか?

 相続税・贈与税の課税関係は、被相続人・贈与者(以下被相続人等)及び相続人・受贈者(以下相続人等)の住所、国籍、また相続した財産の所在地によって異なります。

 平成25年度税制改正前において、

・被相続人等の住所:【日本】 国籍を問わず

・相続人等の住所:【外国】 国籍【外国】

 上記のようなケースは、相続人等は制限納税義務者に該当し、国内財産のみ課税が行われ、国外財産に課税は行われませんでした。このような法律のすき間を利用して節税スキームを組むケースが多く散見されましたので、今年の4月1日以後に生じた相続・贈与に関しては国外財産に対しても課税が行われるようになりました。

 詳しくは次の記事を参照ください。
平成25年度税制改正大綱 外国籍親族の相続・贈与税回避策に規制

 それでは、日本の相続税・贈与税が課税されないケースとはどのようなケースが考えられるのでしょうか?

 次のようなケースは国内財産のみ課税され、国外財産には課税されません

・被相続人等の住所:【5年超【外国】に住所】 国籍を問わず

・相続人等の住所:【5年超【外国】に住所】 国籍【日本】
 
 または、相続人等の住所:【外国】 国籍【外国】


 相続人等が日本国籍の場合は、被相続人等及び相続人等がともに5年超外国に住所を有する必要があります。

 なお、上記のようなケースでも国内財産、つまり日本に財産があれば日本の相続税・贈与税が課税されますので留意すべきです。

 また、外国によっては相続税・贈与税の課税方法が変わることがありますので、たとえ国外財産に日本で課税されなくても、外国で課税されるケースがあります。(例:アメリカでは被相続人・贈与者に課税が行われます)

 日本国籍を持つ人が、親子ともに外国に住所を5年超有して、かつ国外財産だけを有するようなケースは稀かと思いますが、日本の相続税・贈与税は高税率のため上記のようなケースを模索する富裕層もいるかもしれません。

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2013年10月 1日 (火)

外貨建預貯金の預入及び払出に係る為替差損益の取扱い

為替差損益に関する個人所得税の取り扱いです。

【照会要旨】

 A銀行に米ドル建で預け入れていた定期預金(以下「本件預金」といいます。)1万ドルが満期となったため、満期日に全額を払い出し、同日、本件預金の元本部分1万ドルをB銀行に預け入れました。

 この場合、B銀行に預け入れた時点で本件預金の元本部分に係る為替差益を所得として認識する必要はありますか。

?預入時のレート・・・1ドル=100円(円からドルへの交換と本件預金の預入は同日)
?払出時のレート・・・1ドル=110円
?為替差益・・・(110円-100円)×1万ドル=10万円

【回答要旨】

 為替差益を認識する必要はありません。

 外貨建取引とは、外国通貨で支払が行われる資産の販売及び購入、役務の提供、金銭の貸付け及び借入れその他の取引をいい、居住者が外貨建取引を行った場合には、当該外貨建取引を行った時における外国為替の売買相場により換算した金額によりその者の各年分の各種所得の金額を計算するものとされています(所得税法第57条の3第1項)。

 ただし、外国通貨で表示された預貯金を受け入れる金融機関を相手方とする当該預貯金に関する契約に基づき預入が行われる当該預貯金の元本に係る金銭により引き続き同一の金融機関に同一の外国通貨で行われる預貯金の預入は、上記の外貨建取引には該当しないものとされています(所得税法施行令第167条の6第2項)。

 したがって、外貨建預貯金として預け入れていた元本部分の金銭につき、同一の金融機関に、同一の外国通貨で、継続して預け入れる場合の預貯金の預入については、外貨建取引に該当しないこととされていますので、その元本部分に係る為替差損益が認識されることはありません。

 この所得税法施行令第167条の6第2項の規定は、外貨建預貯金の預入及び払出が行われたとしても、その元本部分に関しては、同一の外国通貨で預入及び払出が行われる限り、その金額に増減はなく、実質的には外国通貨を保有し続けている場合と変わりはなく、このような外貨の保有状態に実質的な変化がない外貨建預貯金の預入及び払出については、その都度これらを外貨建取引とすることにより為替差損益が認識されることは実情に即さないものであると考えられることから、所得税法第57条の3第1項でいう外貨建取引からは除かれることを明らかにした例示規定であると解されます。

 このようなことを踏まえると、本件預金の預入及び払出は、他の金融機関へ預け入れる場合であるとしても、同一の外国通貨で行われる限り、その預入・払出は所得税法施行令第167条の6第2項でいう外国通貨で行われる預貯金の預入に類するものと解され、所得税法第57条の3第1項の外貨建取引に該当しない、すなわち、為替差損益を認識しないとすることが相当と考えられます。

【関係法令通達】

 所得税法第57条の3、所得税法施行令第167条の6

国税庁「質疑応答事例集」より

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2013年9月24日 (火)

一年の半分以上を海外出張する商社マンの居住地は?

 商社マン(日本国籍)が、東南アジア、中近東及びヨーロッパなどの各国に出張して営業を行っていますが、その出張日数が1年のうちの(暦年で)250日になりました。この商社マンの家族(配偶者及び子供)は日本の住居にて生活しており、また商社マンが帰国した場合にはこの日本の住居を生活の拠点としています。

 このようなケースで商社マンは非居住者として扱われるのでしょうか?

 居住者と非居住者の判断は、住所が国内なのか、国外なのかで判断します。
 
 250日/365日という出張日数の多寡だけでは判断できません。

 ここで「住所」とは、所得税法上の定義はありませんが、民法第22条からの借用概念として、「住所とは各人の生活の本拠とする」旨の規定があり、所得税法上もこの規定に従い、住所とは各人の生活の本拠をいい、生活の本拠であるかどうかは客観的事実によって判定するとされています。(所基通2-1)

 また、次の1)及び2)に該当する場合は国内に住所を有しない者と推定される規定がおかれています。(所令15)
 
1)国外において継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有する場合

2)外国の国籍を有し、又は外国の法令によりその外国に永住する許可を受けており、かつ、国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有しないことその他国内におけるその者の職業、資産の有無等の状況に照らし、その者が再び国内に帰り、主として国内に居住するものと推測するに足りる事実がない場合

 商社マンは海外を転々として出張し、海外の一定の場所に居住しているわけではありません。継続して海外に居住している状況でない場合、上記の推定規定を適用するのは適切でないと考えられます。

 このような場合には原則論に戻って住所の有無を判定することになります。つまり、商社マンの生活の本拠がどこにあるのか、このケースでは日本に生活の本拠である住所があると考えられますので、日本の居住者として課税関係が取り扱われるものと考えられます。

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2013年9月16日 (月)

ハワイ州に所在するコンドミニアムの合有不動産権(ジョイント・テナンシー)を相続税の課税対象とすることの可否

 アメリカの合有不動産権(ジョイント・テナンシー)に関する相続税の取扱について照会と回答です。

【照会要旨】

 被相続人は、米国ハワイ州に所在するコンドミニアムを相続人(長男)と合有の形態(ジョイント・テナンシー)で所有していました。

 ハワイ州の法律によるとこの所有形態では、合有不動産権者のいずれかに相続が開始した場合には、生存合有不動産権者がその相続人であるか否かにかかわらず、また、生存合有不動産権者がその相続人であったとしてもその相続分に関係なく、その持分が生存合有不動産権者(本件の場合には長男)に移転することとされています。

  この場合、被相続人の合有不動産権は、相続税の課税対象となりますか。

【回答要旨】

 合有不動産権は、ある不動産を取得する際に、当事者間で合有不動産権を創設しようとする契約上の合意により創設されるものであり、その合意は、お互いに「自分が死んだら、生存合有不動産権者に合有不動産の権利を無償で移転する。」という契約、すなわち、実質的な死因贈与契約であるとみることができます。

  したがって、合有不動産権者の相続開始によるその持分の他の生存合有不動産権者への移転は、死因贈与契約により取得したものといえ、相続税の課税上は、死因贈与(遺贈)による取得として相続税の課税対象になると考えられます。

(注) 合有不動産権とは、同一の不動産に関する同一の譲渡行為によって、2名以上の者が同時に始期を開始する同一の権利を共同所有するという不動産権(joint tenancy)であり、共有不動産権と異なり、権利者のうちある1人が死亡した場合には、その権利は相続性を持たず(遺言による変更も不可)、その権利は生存者への権利帰属(survivorship)の原則に基づいて生存合有不動産権者に帰属することとされています。

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