移転価格税制

2013年11月10日 (日)

国税庁が平成24事務年度の「相互協議の状況」についてをプレスリリース

 平成25年10月の国税庁のプレスリリースです。

平成24事務年度の「相互協議の状況」について

 平成24事務年度は167件の相互協議事案が発生し、うち事前確認に係るものは131件でした。

 相互協議事案の発生件数は、過去2年間減少傾向にありましたが、再び増加に転じています。

 相互協議事案全体の発生件数のうち、約80%を事前確認に係るものが占めています。

 平成24事務年度の処理件数を国別に見ると、米国の事案が最も多く、次いで豪州、英国、韓国、シンガポールとなっています。


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2012年10月21日 (日)

平成23事務年度の「相互協議の状況」について

  国税庁は10月11日付にて平成23年度「相互協議の状況」をとりまとめ公表しています。

1)発生件数

 平成23事務年度は143件の相互協議事案が発生
   うち事前確認に係るものは112件(全体の発生件数の約80%)

 これを10年前の平成13事務年度と比較すると、
  
  相互協議件数で1.6倍
  事前確認に係る相互協議件数で2.7倍
  増加傾向にある

 ただし、この2年間は主に事前確認の減少により発生件数は全体として減少しています。

2)処理件数

  相互協議の処理件数は157件(前年比96%)

  事前確認に係る相互協議の処理件数は135件(前年比105%)

  全体の処理件数はやや減少したものの、事前確認に係る相互協議の処理件数は過去最高

3)処理事案の地域別内訳

 平成23事務年度の処理件数は、件数の多い順に、米国、豪州、英国となっています

相互協議の状況について
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2011年12月14日 (水)

平成22事務年度の「相互協議の状況」

 国税庁は平成23年10月に平成22事務年度(H22/7/1-H23/6/30)の「相互協議の状況」についてを公表しました。下記はその要約です。
国税庁プレスリリース

1.相互協議事案の発生件数

 前事務年度 183件 ⇒ 157件に減少

2.相互協議事案の処理件数 

 前事務年度 154件 ⇒ 164件に増加

3.処理事案の地域別内訳
 米国及び豪州の事案が約半数を占める
 対OECD非加盟国の発生件数、処理件数とも、過去最多

4.業種別内訳

 製造業 96件(58.5%)
 卸売・小売業 39件(23.8%)
 その他 29件(17.7%)
 処理件数計 164件(100.0%)

5.対象取引別内訳

 棚卸取引 44.8%
 役務提供 32.1
 無形資産 23.1

6.移転価格算定手法別内訳

 取引単位営業利益法(TNMM)78件
 独立価格比準法(CUP)19件
 原価基準法(CP)13件
 利益分割法(PS)8件
 再販売価格基準法(RP)3件
 その他17件
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2011年9月30日 (金)

平成23年度税制改正(移転価格税制)

 今回の移転価格税制に関する改正ポイントは次のとおりです。

1)独立企業間価格算定方法の適用上の優先順位を廃止

 これまでは独立企業間価格算定に当たり、独立価格比準法、原価基準法及び再販売価格基準法(これらを基本三法という)を優先適用し、利益分割法や取引単位営業利益法などは基本三法を適用することができない場合のみ適用することになっていました。

 OECD移転価格ガイドラインの改定にともない、基本三法の優先適用を廃止し、個々の国外関連者取引の内容や当事者が果たす機能・役割などその他の諸事情を勘案して、独立企業原則に一致した最も適切な方法を選定する仕組みに改正されました。

2)利益分割法を明確化

 上記1)の改正にともない独立企業間価格算定方法の一覧性を確保するという観点から、利益分割法の下位分類としてOECD移転価格ガイドラインで認められている比較利益分割法、寄与度利益分割法及び残余利益分割法を法令において明確化することになりました。

 また利益分割法の明確化にともない、利益分割法に準ずる方法についても明確化されています。

 上記の改正は、法人の平成23年10月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されます。

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2010年11月22日 (月)

平成22年度 移転価格事務運営要領(事務運営指針)の一部改正について(その2)

 さらに、移転価格事務運営要領(事務運営指針)2-5(推定規定又は同業者に対する質問検査規定の適用に当たっての留意事項)の(1)注(1)(2)が規定され、(2)が新設されています。

(注)1 (1)の提示又は提出を求める場合には、必要と認められる範囲内において、法人に対し期日を定めて当該提示又は提出を求める。

また、当該期日は、当該法人の意見を聴取した上で当該提示又は提出の準備に通常要する期間を斟酌して定める。

(注)2 (1)の提示又は提出を求める場合において、法人が独立企業間価格を算定しているときには、当該法人が当該算定に用いた書類に基づき独立企業間価格の算定ができるかどうかを検討し、当該書類以外の書類の提示又は提出を求める必要があるかどうかを判断する。

(2) 法人から第6項に規定する書類に該当するものとして提示又は提出された書類を総合的に検討して独立企業間価格の算定ができるかどうかを判断するのであるが、当該判断の結果、当該書類に基づき独立企業間価格を算定することができず、かつ、措置法第66 条の4第6項又は同条第8項の規定の適用がある場合には、当該法人に対しその理由を説明する。

なお、当該書類を総合的に検討した結果、独立企業間価格の算定ができる場合には、措置法第66 条の4第6項又は同条第8項の規定の適用はないことに留意する。

(注) 当該書類が不正確な情報等に基づき作成されたものである場合には、当該書類の提示又は提出については、第6項に規定する書類の提示又は提出には該当しない。この場合には、当該法人に対し、正確な情報等に基づき作成した書類を速やかに提示又は提出するよう求めるものとする。

 (注)1では、当局が書類の提出期日を納税者の意見を聞いた上で定めることになりましたので、期日を定めていない法律の穴を埋める形になったかと思います。

 (注)2では、納税者が独立企業間価格を算定している場合、まずは提出された書類で独立企業間価格が算定できるかどうかを当局が検討し、次に提出された書類以外の書類が必要であるかどうかを判断することになりました。

 新設された(2)では、推定規定及び同業者への質問検査規定適用の際に、なぜ当局がこれらの規定を適用したのか、納税者に対して適用した理由を説明すること、及び提出された書類で独立企業間価格が算定できる場合には推定規定などの適用がないことが明らかになりました。

 また、注書きにおいては、移転価格文書が不正確な情報に基づき作成された場合、つまり税務調査までに納税者が書類をきちんと準備しておかないで不正確な書類を提出したような場合や形式的に書類を作成したような場合には、移転価格文書を提出したことにはならないとしています。

 上記のように納税者にとって不明確であった点が今回の改正で明確になりましたので、企業としては税務調査に備えて移転価格文書化を進める良いチャンスだと思います。

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2010年11月19日 (金)

平成22年度 移転価格事務運営要領(事務運営指針)の一部改正について(その1)

 平成22年6月22日国税庁HPで公表された移転価格事務運営要領(事務運営指針)の一部改正についてで掲載されている「新旧対照表」をみますと、平成22年度改正のポイントがわかるかと思います。

 昨年末に発表された平成22年度税制改正大綱では次のように記載されていました。

移転価格税制の見直し及び外国税務当局との情報交換強化 平成22年度税制改正大綱を参照

(1)移転価格課税について、独立企業間価格の算定及び検証に当たり、国外関連者との間の取引価格の交渉過程等の検討を要する場合に特に留意すべき事項等を運用において明確にします。

(2) 移転価格調査における納税者の協力が得られない場合の推定課税規定において提出又は提示を求めている書類について、その範囲を、次の区分に基づき、明確にします。

イ 国外関連取引の内容を記載した書類
ロ 国外関連取引について法人が算定した独立企業間価格に係る書類

 上記(2)についてはすでにこのブログでも取上げましたが、移転価格事務運営要領2-4「調査時に検査を行う書類」は措置法施行規則第22条の10で規定された書類と同一の書類とし、税務調査で必要な移転価格文書の定義が明確になりました。

 上記(1)については移転価格事務運営要領と2-2(調査に当たり配意する事項)の(3)が新設されています。

(3) 国外関連取引に係る対価の額が当該国外関連取引に係る取引条件等の交渉において決定された過程等について、次の点も考慮の上、十分検討する。

イ 法人及びその国外関連者が国外関連取引に係るそれぞれの事業の業績を適切に評価するために、独立企業原則を考慮して当該国外関連取引に係る対価の額を決定する場合があること。

ロ 法人又は国外関連者が複数の者の共同出資により設立されたものである場合には、その出資者など国外関連取引の当事者以外の者が当該国外関連取引に係る取引条件等の交渉の当事者となる場合があること。また、当該交渉において独立企業原則を考慮した交渉が行われる場合があること。

(注) 国外関連取引に係る対価の額が厳しい価格交渉によって決定されたという事実、国外関連取引の当事者以外の者が当該国外関連取引に係る取引条件等の交渉の当事者となっている事実又は国外関連取引に係る契約の当事者に法人及び国外関連者以外の者が含まれているという事実のみでは、当該国外関連取引が非関連者間取引と同様の条件で行われた根拠とはならないことに留意する。

 移転価格の税務調査にあたり納税者は次のことを当局に考慮してもらえることが明確になりました。

・グループ内企業における各企業の適切な業績評価のためにグループ内取引における対価額を交渉し決定すること

・ジョイントベンチャーなど第3者と共同出資して事業を行うような場合に第3者と交渉して取引対価額を決定すること

 しかし、「注書き」を読むと当事者間の厳しい価格交渉過程の事実及び第3者との交渉過程の事実だけをもって独立企業間価格を算定した根拠とはならない、つまり交渉の事実のみでは、国外関連取引が非関連者との取引と同様の条件で行われた根拠とはならないことに留意すべきです。

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2010年11月 5日 (金)

平成22年度税制改正 移転価格税制 価格算定文書の範囲明確化(その2)

 措置法施行規則第22条の10で明記された14項目の移転価格算定文書の範囲は次のとおりです。(一部抜粋していますのでご注意ください)

1)国外関連取引の内容を記載した書類(措規第22条の10第1項第1号)(合計9項目)

イ 国外関連取引に係る資産の明細及び役務の内容を記載した書類

ロ 国外関連取引において法人及び国外関連者が果たす機能並びに当該国外関連取引において当該法人及び当該国外関連者が負担するリスク(為替相場の変動、市場金利の変動、経済事情の変化その他の要因による当該国外関連取引に係る利益又は損失の増加又は減少の生ずるおそれをいう。)に係る事項を記載した書類

ハ 法人又は当該法人に係る国外関連者が当該国外関連取引において使用した無形固定資産その他の無形資産の内容を記載した書類

ニ 国外関連取引に係る契約書又は契約の内容を記載した書類

ホ 法人が、当該国外関連取引において当該法人に係る国外関連者から支払を受ける対価の額又は当該国外関連者に支払う対価の額の設定の方法及び当該設定に係る交渉の内容を記載した書類

ヘ 法人及び当該法人に係る国外関連者の当該国外関連取引に係る損益の明細を記載した書類

ト 国外関連取引に係る資産の販売、資産の購入、役務の提供その他の取引について行われた市場に関する分析その他当該市場に関する事項を記載した書類

チ 法人及び当該法人に係る国外関連者の事業の方針を記載した書類

リ 国外関連取引と密接に関連する他の取引の有無及びその内容を記載した書類

2)国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するための書類(措規第22条の10第1項第2号)(合計5項目)

イ 法人が選定した独立企業間価格算定の方法及びその選定の理由を記載した書類その他当該法人が独立企業間価格を算定するに当たり作成した書類

ロ 法人が採用した国外関連取引に係る比較対象取引の選定に係る事項及び当該比較対象取引等の明細を記載した書類

ハ 法人が施行令第39条の12第8項第1号に掲げる方法(利益分割法)を選定した場合における当該法人及び当該法人に係る国外関連者に帰属するものとして計算した金額を算出するための書類

ニ 法人が複数の国外関連取引を一の取引として独立企業間価格の算定を行つた場合のその理由及び各取引の内容を記載した書類

ホ 比較対象取引等について差異調整を行つた場合のその理由及び当該差異調整等の方法を記載した書類


 なお、改正前の「移転価格事務運営指針」2-4(調査時に検査を行う書類等)では次の文書が必要とされていました。

 利益分割法を選定した場合の規定を除いてほぼ同じ内容になっていますが、省令ではより具体的に規定しています。

1) 国外関連取引の内容を記載した書類等(合計9項目)

イ 契約書又は契約内容を記載した書類等

ロ 価格の設定方法及び法人と国外関連者との価格交渉の内容を記載した書類等

ハ 国外関連取引に係る法人又は国外関連者の事業戦略の内容を記載した書類等

ニ 国外関連取引に係る法人及び国外関連者の損益状況を記載した書類等

ホ 国外関連取引について法人及び国外関連者が果たした機能又は負担したリスクを記載した書類等

へ 国外関連取引を行う際に法人又は国外関連者が使用した無形資産の内容を記載した書類等

ト 国外関連取引に係る棚卸資産等に関する市場について行われた分析等に係る書類等

チ 国外関連取引に係る棚卸資産等の内容を記載した書類等

リ 国外関連取引と密接に関連する他の取引の有無及びその内容を記載した書類等

2)法人が独立企業間価格の算定に使用した書類等(合計4項目)

イ 法人が採用した比較対象取引の選定過程及び当該比較対象取引の明細を記載した書類等

ロ 法人が複数の取引を一の取引として独立企業間価格の算定を行った場合、その基となった個別の取引の内容を記載した書類等

ハ 法人がその独立企業間価格の算定方法を採用した理由を記載した書類その他法人が独立企業間価格算定の際に作成した書類等

ニ 比較対象取引について差異の調整を行った場合、その調整方法及びその理由を記載した書類等

 OECDの移転価格ガイドラインでは納税者の価格算定文書化に関する指針が設定されていますし、諸外国においても文書化制度の導入が進んでいますが、今年度改正を我国における実質的な移転価格文書化制度の導入とみるかどうか、今後の当局の動向に注目すべきです。

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2010年11月 2日 (火)

平成22年度税制改正 移転価格税制 価格算定文書の範囲明確化(その1)

 移転価格調査において納税者である企業側が独立企業間価格算定に必要な文書又は写しを、税務当局の要求に応じて遅滞なく提示、又は提出しなかった場合、税務署長は「推定課税」を行うことができるという規定(改正前措置法第66条の4第7項)に関し、当該必要書類の範囲について明確化が図られました。

 改正前は「移転価格事務運営指針」2-4にて移転価格文書の内容を明示していましたが、改正前措置法第66条の4第7項における帳簿書類が具体的にどのような書類を意味するのか、明確化された規定(省令等)がなかったため、価格算定文書の範囲が明確化されました。

 実務では事務運営指針を参考にしながら文書化を行っていたと思われますが、今後は措置法施行規則第22条の10で明記された14項目の書類を文書化する作業が必要になります。

 改正の背景としては次のとおりです。

・移転価格算定根拠等に関する資料の提供等には納税者側の協力が不可欠である

・価格算定文書に関する具体的な規定がないにもかかわらず、納税者が協力しない場合、当局は推定課税ができることになっていた

・価格算定文書の範囲を明確にすることで、納税者の予見可能性確保及び税務執行の透明化・円滑化を図る必要性がある

 価格算定文書明確化は「新たな負担を納税者側に求めるものではなく、過度な負担をかけることのない範囲で税務当局に協力してもらう」との当局の方針です。

 また、改正前の措置法により推定課税が行われたケースは非常に稀であり、実際に推定課税を行うような場面が多々あったわけではないということですが、今改正により文書の範囲が明確になったため、推定課税が強化される可能性もないとはいえません。

 税務調査が入ってから文書化を行っていると文書を遅滞なく提示、提出することできなくなり、結果的に当局から推定課税されるリスクがあるかもしれませんので留意すべきです。

「措置法第66条の4第6項(改正前第7項)」

 国税庁の当該職員又は法人の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員が、法人にその各事業年度における国外関連取引に係る第1項に規定する独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類として財務省令で定めるもの又はその写しの提示又は提出を求めた場合において、当該法人がこれらを遅滞なく提示し、又は提出しなかつたときは、税務署長は、次の各号に掲げる方法により算定した金額を当該独立企業間価格と推定して、当該法人の当該事業年度の所得の金額又は欠損金額につき法人税法第2条第39号に規定する更正又は同条第40号に規定する決定をすることができる。

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2010年6月11日 (金)

信越化学工業。移転価格税制の日米相互協議で119億円還付。

 平成22年6月11日付日本経済新聞朝刊からの引用です。

 国税当局の更正決定により移転価格税制の追徴課税が行われその後還付されたケースは、今年2月にTDK 移転価格課税 141億円取消のブログ記事で取上げましたが、今回は日米両国間の相互協議が合意に達し、信越化学工業に119億円が還付されたとのことです。

「相互協議(Competent Authority Negotiation)とは」

 国際的な二重課税を排除するために各国間で締結された租税条約の規定に基づいて、我国の権限ある当局と相手国の権限ある当局の間で行われる協議手続きです。

 相互協議は租税条約が締結されている国との間でのみ成立しますので、たとえば、租税条約を締結していないタックスヘイブン国であるパナマや台湾(法人税率17%になりタックスヘイブンとなる予定、空運・海運に関しては二国間租税条約を締結済)などは相互協議の申し立てはできません。

 国税庁2009年度相互協議事案発生件数の推移を見る限り、相互協議事案の発生は近年増加傾向にあるようです。

 110億円もの追徴課税を受け、今回還付加算金を含めて119億円戻る見通しになり、信越化学工業にとっては2011年3月期の業績を押し上げる要因となるとのこと。

「信越化学工業(株)の2010年3月期連結決算数値概要」

・売上高  9,168億円
・経常利益 1,270億円
・当期利益  838億円

 100億円単位で追徴されたり、還付されたりすると企業としては業績がブレて安定した経営が難しくなると思います。

 大手企業に対する移転価格税制の追徴課税の問題はまだまだ水面下で生じているのではないかと個人的には思います。

※許可無く上記内容をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じさせて頂きます

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2010年3月25日 (木)

中小企業に対する国外関連者寄付金の否認事例

 移転価格税制の調査は主に大企業に集中しその更正金額の大きさで新聞紙上目に付くことが多いのですが、中小企業に対する国外関連者(海外子会社等)寄付金に関しても税務調査で否認されているケースが多々あります。

 中国、タイ、インドネシア、シンガポール、韓国などのアジア諸国に国外関連者(実質支配50%以上の海外子会社等)を1社ないし2社程度有している中小企業は非常に数が多いと思いますが、そのような中小企業が注意すべき国外関連者との取引は次のとおりです。

1)日本本社から海外子会社へ出張又は出向する者の経費負担
 たとえば、旅費交通費や人件費などの経費を本社で負担しているようなケース

2)海外子会社への低利率による貸付や債権放棄による損失負担
 たとえば、低利率で貸付を行い、元本回収ができないようなケース、又は海外子会社に対して多額の債権放棄を行っているようなケース

 国税庁タックスアンサー子会社等を整理・再建する場合の損失負担等に係る質疑応答事例で、子会社等を整理、再建する場合の損金計上について詳細な説明が行われていますので参考になります。

3)海外子会社への経営支援業務
 たとえば、赤字補填のための実態の無い取引に対する資金供与、又は取引実態はあるが負担金額に経済的合理性がないような場合

4)工場や営業所をスタートアップする際の本社からの様々な支援業務
 たとえば、機械の設置・修理を無償で行ったり、親会社が所有する機械や器具備品を独立企業間価格より低い価格で子会社に売却するような場合

5)親会社が所有する無形固定資産(特許権等)を無償で子会社に貸し出す場合
 たとえば、海外子会社で特許を活用して製造するような場合で特許使用料を支払っていないようなケース

 上記のような取引を否認された場合には全額損金不算入となり、加算/流出処理を行います。したがってこの場合は租税条約による相互協議の対象にはならず、二重課税を解決する手段はなくなることになりますので留意すべきです。

 中小企業の経営者の皆様、海外子会社等(国外関連者)に対する寄付金は税務調査の重要ポイントですから注意してください。

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